コンテンツへスキップ
パックマンのシェイ式機関車です。
まずは現状を確認するためにレールに電気を流してみます。モーターは回っているようですが、パワーが台車に伝わっていないようです。
ギアが割れていますね。その他のギアも割れているか、吹き飛んでし付いていないものもありました。
ギア設計を行います。使用されているギアは、ヘリカルギア(山型形状)となりますので、難しいですね。現物から寸法などの基本データを得ることになりますが、部品自体が非常に小さいので、正確に読み取るのも至難の業です。
おおよそ形状が出来上がったところで、実際に部品を出力してみてから、手作業で微調整を行うことにします。
出来上がってきたギアです。
紫外線を充てて2次硬化させます。
ちなみにギアだけでなく左右の樹脂製パーツも経年で割れているようです。ギアの組込みにあたっては、特殊な形態で組み込まれているため非常に難しい作業です。
やり直しです。今までのギア修理の中では一番難しいかもしれません。シャフトに2つのギアと可変式ドライブシャフト2個で構成されており、すべてがマッチしていないと回りません。
機関車側だけでなく、テンダー側の駆動部分のギアを始めほぼ劣化により割れしまっているようです。
今回の修理作業で最も難しいのは、駆動システムがすべて連動していることです。ドライブシャフトも可動ジョイント(こちらも損傷)により接続されていることもあり、より複雑化しております。
すでに多くの時間を修理に充てておりますが、次々と問題個所が確認され、先は長そうです。
微妙に高さと先端の形状を変化させて試します。これをひたすら繰り返すので、大変な時間がかかります。また、その他の部品も制作しないとならず、今のところ先が見えません。
もう一度こちらのギアにも若干の修正を加えて、再度3Dプリンターで出力してテストです。
このようなパーツも新たに作りました。ネジ固定式としてシャフトを外せるように改良いたしました。
制作したパーツを現物合わせで加工してぴったり収まるように加工・調整していきます。
台車を繋いで、車輪がすべて連動するかを見ていきます。
台車にパワーを伝達するソケットも割れていますので、こちらも直していきます。
直接車輪に配線して回転の具合を見ながら調整します。
実際にレールに乗せて確認していきます。
もう一度連結部を調整します。
前進・後進を繰り返して走行に問題がないことを確認します。走行自体は非常にまったりとした速さで、それほど速度が出ない仕様なのかもしれませんね。
OKです。長い戦いがようやく終わりました。
最後に車輪をきれいにメンテナンスして作業は完了しました。