▼N&HO「EF81金属線取付+583系室内灯取付他」

▼作業内容一覧

  • [N]サザンクロス 集電調整
  • [N]EF81 金属配管パーツ取付

[HO]TOMIX 583系 6両

  • 室内灯お取付け


碍子の先端にピンバイスで穴あけを行います。これがすごく難しい作業です。穴あけした個所に金属線を差し込んで固定します。

こんな感じです。


▼HO/16番ゲージ「キハ30 パワートラック化+ヘッド&テール+室内灯点灯化改造」

▼ご依頼内容一覧

  • 走行可能化「パワートラック」組込み
  • 室内灯点灯化
  • ヘッド&テール点灯化改造 ※両運転台

事前に発注しておいた「コアレスパワートラック 26P II (φ10.5プレート車輪)」です。

分解後に加工個所を確認していきます。台車枠の取り付けは「ロングタイプ」を使用します。

まずは、台車が完成しました。

まずは台車を仮付けした上で、干渉する箇所がないか事前に確認してまいります。

再度分解して加工していきます。

ステーを削り出していきます。

このような感じで削っておきます。

中心のネジ穴とパワートラックの径を適合させるため、中央に新たな部品を組み込んでおきます。

床板に銅テープを貼りそこに配線します。

ヘッド&テール+室内灯を制作して車体に組込みます。テール部分はパーツの設計から行い、レーザー加工機で切り出した部品にチップLEDを埋め込んで製作しました。配線は屋根上で2線に集約しており、これだけで全ての機能が動作します。

動作確認をすべて終えて作業は無事完了いたしました。

▼HO/16番ゲージ「TOMIX 583系 室内灯取付+車番他」

まずご希望の「臨時シール」切り出しとパーツへの裏面への貼り付けを先に行っておきます。出来上がったパーツを車体側面からはめ込んでいきます。

続いて室内灯の取り付けですが、こちらの車体への室内灯組込みには屋根も外す必要がございます。

2つのユニットを配線で繋ぎ合わせる加工を施します。この加工は、組み戻す際に片側の接点が安定しない場合などに効果を発揮します。ちなみにこちらの室内灯の取り付けは、初心者ではかなり難しいと思われます。

中間車両にも同様の加工を施しておきます。

このように片側の接点のみで2つのユニットが点灯できます。

最後に車番を貼り付けて作業が完了いたしました。

▼Nゲージ「トーマス各種修理」

Nゲージ以外にも他2種の修理も併せてご依頼いただきました。

分解には、先端が[▲形ビット]を装着します。

内部の駆動部はなかなかおもしろい作りをしてますね。ここから修理作業に入ります。モーター本体も一度も交換されていないと思われますので、新品に交換しますので発注しておきます。

まず先に2台ともモーターを新品に交換しました。さて、それでは実際に不具合となっている原因を見ていかなくてはなりません。モーターを回すと内部で空回りしている感じです。ちなみにもう一方の茶寮では、中間の車輪が2個ともありませんので、後ほど設計して3Dプリンターで部品を作ります。

ピニオンギアも新しくします。

お次は機関車(左側)の中間車輪が両方とも根元から折れておりついてませんので、設計してから3Dプリンターで制作します。

出来上がった車輪がこちらです。

あとから車輪の内側に0.5mm厚のスペーサーをレーザー加工機で制作して本体との間隔を調整しました。

このように仕上がりました。

ボディーを被せて走行テストを行い「ジェームス」の作業はすべて完了しました。トーマス側もあと少しです。

注文しておいた「麦球1.5v」の組込みも終わり作業完了です。


▼Nゲージ トーマス機関車&客車修理

機関車および客車の一部パーツ欠品について、現行で付いている部品の寸法を測定し、そのデータに基づいて設計を進めさせていただきます。

出来上がってきた部品を塗装します。機関車用「赤黒ツートンタイプ」、客車用「黒タイプ」の2種を作ります。

機関車側は、一旦分解して異音対応と制作した部品のお取り付けを終えた段階で、最後に客車と連結して走行テストを行います。

OKです。

作業はすべて完了いたしました。

▼Nゲージ「EF58 & ED75 ディテールアップ+光沢仕上げ他」

ご依頼者様のご要望により機関車の大幅なディテールアップを行ってまいります。


▼EF58 61号機ディテールアップ

まずは作業しやすいようにすべて分解していきます。

まずは、ボディーから外せるものはすべて外します。

ヘッドライトレンズの取り外しは、表面が傷にならないように木の棒の先端を丸く加工してから、内側から軽く押し出します。

ボディーがすべて分解できたところで、次は台車です。


▼専用ツールの制作

今回の作業にあたっては、非常に細かな作業が連続するため、いくつかの専用ツールを事前に制作いたします。

1)電動マイクロピンバイス φ0.2/0.3

2)電動マイクロ面だしツール ※2種

3)マイクロペン

4)穴あけ用ガイド


1)電動マイクロピンバイス

正確な穴あけと作業の効率化。回転数可変パルス制御方式の超小型・超軽量の電動ピンバスでございます。

今回のような作業では、どうしても欠かせないツールとなります。

【部品構成】

本体/ピンバイス固定マウント/超小型6Vトルクモーター/制御回路/電源/垂直ドリル φ0.2&0.3

と、構成はいたってシンプルです。


まずは試作を設計して3Dプリントします。

内部にブレ防止の対策が施してあります。あとは、先端にピンバイスを差し込めば内部で固定されます。本体の大きさは、約4センチと非常に小さく軽量です。

電動マイクロピンバイスのメリットについて

・φ0.2 or φ0.3といった、扱いの難しいドリルにつきましても折るリスクを低減。

・手動ピンバイスに比べ、貫通までの時間を大幅に短縮。

・曲面の穴あけにおける、刃滑による塗装面のガリキズのリスクも大幅に低減。

・回転数は、素材や厚さに合わせて調整可能。厚さ2mmのプラ板も、わずか3~4秒程度で貫通。※高速回転時

・軽量コンパクトにより、指先の疲労感は少なく連続した作業でも安定した穴あけが可能。

出来上がったものがコチラです。左:0.2/右:0.3 ※シャンク径:φ3.175

何度か作り直しながら改良を加え、ようやく実用に耐えるツールに仕上がりました。特に難しかったのは、ドリル先端が一切のブレなく回転させるのに苦慮しました。

電源は、単三電池BOX(3V)を使用します。昇圧回路を組み込んで、3Vから5Vまで電圧をあげてあります。

スイッチはモーター横に付けてあります。軽い力で[ON/OFF]操作が容易にできます。

N用の屋根であれば、極細ドリル(φ0.2)でも折ることなく、わずか2秒程度で中心からまっすぐ貫通します。

EF58の屋根フックの穴あけと各部の正確な穴あけ作業に効果を発揮します。


さて、続いて面出しツールの制作です。こちらの制作はちょっと難しくなります。「このツールいったい何に使うんだろ~か?」と言いますと、車体の凸モールドを削るためのツールとなります。

通常メーカーが提供する完成品では、フックや手すりがモールドによって再現されておりますが、ディテールアップの際にこのモールドを平らに削る必要がございます。実はこの作業、本当に大変なんですよ。以前は、ノミなどでモールドをちまちま削ってから、ペーパーを小さく折り畳んでひたすが面出しを行っておりました。それでも場所によっては、フラットな面を出すのは至難の業です。そこで、機械の手を借りて正確にしかも早く面出しができるツールを制作することに致しました。

まず、根本的にピンバイスで使用する垂直ドリルではなく、スクエアエンドミルを使用します。このドリルの特徴は、先端が平らで横方向にも削ることができるため、面出しの際によく使用されます。

Nゲージの車体加工に適したツールとするには、軽量・コンパクトで狭い箇所にもしっかりとドリルが入り面出しができることが条件となります。これらを実現するにはいろいろクリアしないといけない課題が多々あります。

設計も終わり、早速パーツを作りテストしてみることにします。先端はアタッチメント式となっており、目的に応じてソケットを交換できるように設計しました。青色の部分が実際に装着されたドリルをイメージしたものです。今回は、ソケット1(細モールド用)となります。これを本体に装着することで、モールドのみ削り落とすことが可能なはず?・・です。ドリルは、φ0.5の超硬エンドミルを使用します。

使用方法としては、ソケットを上下に可動させて対象物の原点(Z=0)に調整してイモネジで固定します。

手すりのモールドは、正面、屋根、側面などに再現されていることから、どのような場所にも対応できるように設計してあります。

完成したツールの初期調整も終わり、本当にモールドのみがきれいに削れるのかテストです。

Bトレの屋根を使用して、配管やクーラーのモールドを実際に削ってみることにします。

使用方法はいたって簡単、削りたいモールドの上でスライドさせるだけです。回転速度は可変式で、高さのあるモールドは負荷が大きくなるため回転数をやや上げます。低めのモールドは低回転でも問題なく削ることが可能です。

クーラー中央の黒いラインが実際に削った個所となります。このように他の部分を削ってしまうことなく、モールドのみを簡単に削り落とすことができます。

今回は、手すりなどの細モールドに特化したツール制作となりましたが、その有用性が確認できたことから、今後は窓埋め改造などの面出しツールも制作する方向で検討しています。

さて、これでようやく準備が整ました。それでは、EF58の本格的なディテールアップに入ることにしましょう。


▼ディテールアップパーツの制作

各部のディテールアップパーツの制作も進めていきます。まずは車体をスキャンしてPCに取り込みます。

車体の原寸スキャンを行って、各部の詳細なデータを取得して取り付けるパーツを個別に設計していきます。パーツは、3Dプリンターによるパーツ生成とエッチングパーツ製作の両面から進めていきます。

先に制作したツールを使用して、手すりやフック部分などもすべて削り落とします。


▼台車の分解と加工準備

先代車をすべて分解します。

まずは、こちらの塗装から入ります。その前にしっかりと表面の油分などを落とすための洗浄を行います。最近よく使うのが、強力泡洗浄です。

台車の塗装開始です。

まずは、台車にプライマーを吹き付けていきます。次に台車の金属の質感を出すために「黒鉄色+ウィノーブラック+ブルー少量」を加えたものを吹き付けます。

濃度を薄くして表面にうっすらと上塗りをかけていきます。

黒ベースを基調として、時々覗かせる金属のギラッとした質感が出してみました。2~3回吹き付けながら、ちょうど良い感じになってきたあたりで吹き付けを止めます。

プラスチック感が消えて質感が出てきました。ただ物が小さいので、わかる人にはわかるといったこだわりの作業です。


台車に色差しを行っていきます。

塗り残しがないように、もう一度同じ位置に色差しを施します。

クリアー吹き付けにあたり、複数回に分けて塗膜を作りながら光沢感出します。

タンクに貼るデカールを制作して、貼り付け後にクリーアでテカテカにします。

取付けます。

ボディーを被せて全体の感じを見てみます。なかなかいい感じです。写真で見るよりも現物は、超テカテカです。ここから先もじっくり時間をかけて仕上げていきます。

▼Nゲージ「キングスホビー特急富士 大幅改造+修復」


まずは、すぐに作業に入れるこちらの機関車のライト加工から着手していきます。


▼キングスホビー 特急富士カスタム加工他

事前にご準備いただきました詳細な作業内容を基に、作業工程を考えていきます。以下に作業内容をまとめさせていただきました。


▼ご依頼の作業内容全般

  • 連結器高さ調整 ※蒸気機関車との連結含む
  • 室内灯お取付け
  • 車輪の転がりの確認およびスムーズ化
  • 車番インレタ貼り
  • 車内ディテールの制作 ※椅子等お持ち込み他
  • テール点灯加工

▼ご希望加工内容詳細 ※キンホビ専用ケース側車両

なお、室内灯につきましては、新規お取付けするユニットと既にお取付されているものとで、明るさや色合いなどが大きく変わってしまう可能性がある場合は、すべてお取付け直す形でご対応させていただこうと思います。ご希望の昭和5年頃のやや薄暗い感じ照明を再現できるように作業させていただきます。また、特に大きな色合いや明るさの違いがなければ、既存のユニットをそのまま使用する形でご対応させていただきます。

①荷物車 x 1

  • 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
  • 車番インレタ「カニ39550」
  • 室内ディテール加工不要

②二等寝台車 ※青帯3軸ボギー車 x 2

  • 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
  • ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
  • 車番インレタそれぞれ「マロネ37350」、「マロネ37396」
  • 室内ディテール->アルモデル製「戦前型ロネ用寝台」/ 床板・仕切板は新規制作

③二等座席者 ※青帯2軸ボギー車 x 1

  • 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
  • ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
  • 車番インレタ「スロ30750」
  • 室内ディテール->アルモデル製「転換クロスシート」/ 床板・仕切板は新規制作

④食堂車 ※帯なし3軸ボギー車 x 1

  • 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
  • ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
  • 車番インレタ「スシ37740」
  • 室内ディテール->アルモデル製「食堂車テーブル+イス」/ 床板・仕切板は新規制作

⑤一等寝台車 ※白帯3軸ボギー台車 x 1

  • 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
  • ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
  • 車番インレタ「マイネ37130」
  • 室内ディテール->アルモデル製「展望車内シート・寝台(背高シート)」/ 床板・仕切板は新規制作

⑥展望車 x 1

  • 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
  • ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
  • 車番インレタ「スイテ37000」
  • 室内ディテール->アルモデル製「展望車内シート・寝台(ソファ&個室設置)」/ 床板・仕切板は新規制作
  • 後部テール点灯化改造

▼ご希望加工内容詳細 ※Mケース側車両

主な作業内容は上記と同様。室内灯については新規組込み。なお、Mケース側の7両につきましては、車体破損等における復活作業もご希望とのご依頼でございます。塗装は「ブドウ1号」によるリペイントとなります。

はい、お任せください。


まずは、分解できるものは一旦すべて外してから修復作業に取り掛かります。

ガラスパーツなどもすべて作り直しさせていただきます。

屋根の窓ガラスもすべて貼り替えいたしますので、すべて剥がします。

床下機器パーツの突起は、車内ディーテールを作る際の障害となるため、出っ張りをすべて平らになるように内部をすべて処理していきます。

床下機器の歪みはプライヤーなどを使って補正を行い、大きく曲がって取り付けられている個所につきましては、いったん取り外してから、ルーターで面出しを行ってから再度お取付け固定いたしました。

床下はすべて取り外し、個別の歪みなどもお直しいたしました。


マイクロワイヤーブラシを使って、古い塗装の剥がれやすい箇所などもそげ落としていきます。

はがれやすい塗装も落とします。

全体の磨き出しを終えたところで、金属脱脂を行います。

さらにクリームクレンザーで磨きだしてから泡洗浄を行い徹底して油分を取り除いていきます。

第1塗装ブースで下処理を行います。

第2塗装ブースでエアーブラシで塗装を行います。

4~5回に分けて塗り重ねていきます。

光沢感のあるブラックに仕上がりました。


続いてボディー側ですが、こちらはちょっと手こずりそうです。

まずは、屋根からです。すべて外して番号を入れます。

事前にずべて外しておいたガラスパーツの接着部をすべて平らになるように削ります。

内面の小窓の削り込みが終わりました。

耐水ペーパーで#800で屋根面を研ぎ出して古い塗装面を慣らします。

しっかりと研ぎ出しが終わったところで、下塗りを行います。

下塗りが終わったところで、スエード調塗装を砂吹きして屋根面をザラザラ感を出します。このあと、「ニュートラルグレー+少量黒」で調合したものを吹き付けます。


実際に吹き付け終えてみて、「う~ん」どうも表面の質感に納得いかないので、もう一度塗装を落としてやり直します。

IPAに漬けてこのまま1日程度おきます。

完全な剥離が終わりました。

下塗りを行います。

色を調合します。

屋根塗装が終わりました。


▼ボディー側面の補修と塗装

ドアが大きく開いた状態で固定されている個所が数か所ございましたので、まずはそちらからお直ししていきます。

コテの温度を380度まで上げて、ドアの側面にに押し充てて、ハンダと接着剤を溶かしドアを本来ある位置に少しづつ戻していきます。


現状かなり盛り上がっておりますので、この状態ですと屋根面が浮き上がった状態となりますので、面出し処理する必要がございます。

接着の盛り上がりは、ルーターを使用して平らになるように削って処理していきます。

大きな盛り上がりを除去できたところで、あとは手作業でペーパーをかけていきます。

デッキ部分の取り外しです。破損させてしまわないように接着剤を少しづつ剥がしながら、無事に分離できました。


ぴょん鉄ストックの鉄道カラーの在庫に今回使用するカラーがございませんでしたので、発注いたしました。※Gaia鉄道カラー(ブドウ色1号)

ボディーの塗装もすべて剥がします。IPAに漬けて1日程度おきます。冬の寒い時期と違い液温をヒーターで温める必要がありませんので、剥離に適した時期でもあります。

翌日、塗装の剥がれ具合を確認したところ、多くは剥離が行われておりましたが、念のためあと1日このまま漬け置きして完全に剥離させます。その間に内装の設計を進めていきます。

剥離はほぼ完了しましたが、まだ一部のみ塗装がしっかり食いついている個所がありましたので、もう1日漬けおきします。

通常、金属車体への塗装は、下処理が不十分だと爪で簡単に剥がれてしまいます。しかし、こちらの車体は塗膜がしっかりと形成されており、驚くほどの定着力で塗装が車体に食いついています。当時の丁寧な下処理に、ただただ感心させられました。

ぶどう色1号到着です。

IPAだけでは落としきれず、シンナープールにドボンさせて1両づつハケで溶かして落としていきます。

ようやく塗装をすべて落とし終えました。

可能な限り各部の補修を行いました。

ガイアの「マルチプライマーアドバンス」で下塗りします。

下塗りが終わりました。

まずは1回目の吹き付けです。このあと、乾燥と吹き付けを5~6回に分けて行い徐々に発色させていきます。

車体色の「ぶどう色1号」塗装完了です。このまま1日おきます。

屋根を載せてみて確認してみます。ここから多くの手を加えないとならない個所があるため、まだ屋根は接着固定しません。


本日の主な作業は、車体に施す帯の制作と標記類、そして車番の貼り付けです。そのあと、クリアーで表面を保護すると共に、全体を光沢に仕上げて参ります。完成までまだいくつもの工程があるので先は長そうです。

まずは、完成品車両をすべてスキャンして側面の情報をPCに取り込みます。また、屋根の形状や向きなども間違いないように完成品と比較しながらお取りつけしていきます。

帯幅や高さなど原寸サイズで取得したデータを元にして、デカールを作成します。

青帯と文字位置などを確認してデータを作成します。

すべて車両のデータができました。

他の作業も並行して行っている関係上、大変恐れ入りますが、しばらくの間お休みとさせていただきます。それまでの間、車体にはホコリや汚れなどが付着しないようにシートをかけて大切に保管しておきます。


車体に施された横帯の制作に、やや難航いたしました。特に青の横帯の色合いがなかなか思うようにいかず、何度もデータを修正しては印刷で色合いの確認を行う、という作業を繰り返しました。

一番下に青のチャートを作りながあ、徐々に目的の色に近づていくわけですが、この作業が意外と時間がかかりました。

最終的に出来上がったのが、シアン:81%/マゼンダ:60%の比率となります。こちらの車体は、かなり深い色合いのブルーとなります。

そうして出来上がった青帯をデカールに印刷した物がこちらとなります。ようやく、デカールの貼り付けとクリアーコート処理となります。


すべての車両に貼り付けが終わりました。このあとマークソフターを上から塗布して、リベットなどの出っ張りにデカールを定着させます。その後、しっかりと換装させてから、クリアーを車体に吹き付けて仕上げていきます。

まずはセッターを使用して定着を高めてから、部分的にソフターを点付けして密着させます。

綿棒を若干湿らせてから軽く押さえながらデカールの上で転がします。

このまま1時間ほど換装させます。


その間に室内灯を作っていきます。

出来上がった室内灯を屋根上部に取り付けて点灯テストをしてみたところ、ここで1つの壁にぶつかりました。

実際に点灯させてみると、横方向に光がうまく回らず、うっすらと光っている程度にしか見えませんでした。さて、どうしよう。


↓塗装の続きです。

24時間乾燥させます。それまで、他の作業を進めていきます。


再び室内灯に戻ります。しばらく試行錯誤しながらいくつかの方法を試しながら、ようやくご希望の室内灯ができました。

こちらが屋根に組み込まれた室内灯です。全体が発光します。

発光させてみます。色はご希望通りかなり濃いオレンジ色っぽい感じです。

小窓から漏れるオレンジ色の光(写真では白っぽく見えますが)もはっきりとわかるほどの明るさとなりました。さて、ここからさらに難しい作業が待ち受けています。まず、この車体はボディー中央に補強板があるため、内装を配置する上での大きな障害となります。さらに、修理やメンテナンスを考慮すると、屋根を接着固定することはできません。内装の配置には屋根の着脱が前提となるため、この点も踏まえて今後の作業を進めていく必要がございます。

テープLEDの長さの問題があったため、両サイドは8mm程度折り畳んで収納しました。その上にブリッジダイオードと抵抗を配置しています。当初は5V仕様で組み込みましたが、抵抗の発熱問題が発生したため、急遽、光源をすべて12V仕様に付け直しました。



まず、内面用のガラスパーツをレーザーで切り出します。この際、切り出しの熱によって素材から発生するガスが透明な表面を曇らせてしまうのを防ぐため、下面にマスキングシート(表面保護テープ)を一面に貼ってから作業を行います。

車体に合わせて長さを微調整して切り出します。

ここで注意したいのはボンドの量です。多すぎると表面に飛び出して見た目が悪くなります。ここは慎重かつ丁寧に作業を進める必要がございます。

他の車両のガラス貼りも完了し、だんだんと車両が形になってきました。この瞬間は、やはり嬉しくなりますね。できるだけ良い状態でお渡しできるように、最後まで頑張ります。大変お時間はかかってしまっておりますが、着実に復活に向けて進んでおりますので、今しばらくお待ちください。


台車につきましては、いったん全て分解し、個別にメンテナンスと通電確認を徹底的に行います。また、色剥げした箇所については、色差しを行うなどして丁寧に修正いたします。

1両分完了です。残りの車体もすべて同様の作業を行います。


さて、各台車の集電調整とオーバーホール(O/H)が完了したところで、いよいよ車体への組み込みですが、そう簡単にはいきません。

従来の取付方法では、集電部分が車内に大きく出っ張り、内装と干渉するという問題がありました。この課題を解決するため、台車を固定する個所に改良を施す必要が出てきました。

1つの方法として、中心のスペーサーを新規に3Dプリンターで作り直します。外形:2.9mm x 内径:2.3 x 高さ:2.4mm です。

出来上がったデータを3Dプリント出力します。

2~5号機は現在フル稼働中のため、1号機(一番右)を使います。

出来上がった部品を2次硬化させます。

今回の加工により、ネジ部分の出っ張りが解消されました。次に台車からの集電も直接配線を行います。

床上にターミナルを作り、そこから各部に配線していきます。

写真では白っぽい感じの灯に見えますが、現物はご希望のオレンジ色っぽい感じで光っております。


さて、それでは内装の制作に入ります。まずはそれぞれの車体に合うように正確な寸法を割り出します。ノギスを使って内寸を測り出し、その寸法に合わせてレーザー加工機でパーツを切り出していきます。

内部にぴったり合うまでデータ調整とカットを繰り返し行います。車体ごとに内部の寸法が異なるので、それぞれのデーターを作ります。

荷物車両は、ドアの出っ張りに合わせて切り出してあります。

ようやくすべての車両の床(ベース)データと現物合わせが完了いたしました。ベースが出来上がりましたので、ここからは窓位置と椅子の配置が車体とぴったり合うように設計していく必要があります。この作業が少々大変だったりまします。

外しておいた展望部を付け直します。

パーツのかみ合わせ部分が合っていないので、ヤスリで平らに仕上げていきます。

これできっちりと収まりました。この状態で固定します。

ダミーカプラーも上向きに若干曲がっているので、こちらも正常な位置に直します。

富士マークを手直しして元に戻します。


次にテール点灯化の改造を施していきます。完成品側の車体も同時に進めます。

テール組込み用のパーツを新規に作ります。

以前に制作したものからの改良版となります。

3Dプリンターで出力を行った後、現物合わせを実施し、データの微調整を行ってから再度出力いたします。

1つ1つの工程が非常に難しく、その都度手が止まることが多くなってきました。


パーツが出来上がりましたので、全体を黒で塗装し断面は赤で塗ります。その後、チップLED(赤)を内部に埋め込んでから、車体へ配線していきます。最後に、中心に透明樹脂を流し込んで紫外線で硬化させレンズを作ります。

デッキに固定して配線を床に引き回してターミナルにつなぎます。

テール点灯化改造も完了です。


▼完成側車体のメンテ作業

次に完成品側の車体のメンテから始めます。

当初、完成品の車体は屋根がネジ固定で分解できるものと想定しておりましたが、実際には接着剤でがっちり固定されており、外すことが困難な状況です。この完成品側の車体につきましては、内装の組込み方法をゼロから別途検討していく必要がありそうです。

事前の見込みが少々甘かったようで、こちらの完成品側の車体加工についても、かなりの時間を要する作業となりそうです。

まずは、集電系のメンテを先に行っていくことにします。

完成品側の車体ですが、台枠や幌などがポロポロ取れていく箇所が見られますので、これらも一通り見ていく必要がありそうです。

他の車両でも同様に、台枠や幌(ほろ)が軽く触れただけで簡単に外れてしまうという問題がございました。使用している接着剤と面積および経年などにより弱くなっていることが、この脱落の原因である可能性が高いと思われますので、現在取り付けてある部品も一通り確認して再接着し直すなど行ってまいります。


▼内装データ制作

再び内装に戻ります。

窓位置に合わせて目安線を引いていきます。

他の車両もすべてこのように目安線を作成していきます。

こちらが号車別に出来上がったデータです。赤線が床面となり、それに合わせて仕切り板や座席を配置するための目安線を作成いたしました。このデータを作るのに少々手間取ってしまいましたが、この作業は、正確な位置関係を把握するために不可欠であり、避けて通ることができません


こちらは荷物車の内側に貼り込む柵です。データを作りレーザーで切り出してから塗装を行って、ガラス面の内側から1つ1つ貼っていきます。

切り出した床を塗装しました。事前に制作しておいた仕切りをスジボリしておき、椅子配置の目安とします。

こちらは荷物車の床板です。このようにスジボリして板状の雰囲気を出しておきます。

荷物車にこのように配置されました。

車内に設置するパーツをランナーからすべて切り出してから中性洗剤で洗浄作業を行います。

しっかりと乾かしてから下処理を行なってから塗装します。


仕切り板もすべて再現して内部に組込んでいきます。

良い仕上がりとなってまいりました。特に、通路側から見た仕切り板のディテールが効果的で、窓からのぞいた際の雰囲気を一層高めています

マロネ37の内装パーツを実際に車体へ組み込んでみたところ、背もたれの部分が窓ガラスから大きく飛び出てしまうことが判明いたしました。パーツの高さ設定そのものに根本的な無理があったと思われます。一部の修正では対応が難しいため、パーツ自体を車体に合わせた形で別途作る必要がありそうです。

車体に合わせた部品の設計です。

3Dプリンターで出力を行います。パーツが出来上がってくるまで約1時間程度です。

出来上がったパーツを塗装してから車体に組込みます。

他の形式の車両も出来上がった内装を組み込んでいきます。

「3歩進んで1歩戻る」ような試行錯誤の連続でしたが、ようやくここまで辿り着きました。すべてが現物合わせの連続であり、時には想定を遥かに超える「泥沼」に足を踏み入れるような状況もしばしばでした。

キット組立版・レストア車両(7両)につきましては、すべての工程が無事に完了いたしました。残る作業は、完成品版(7両)への内装セットのみとなります。これをもって、お預かりしていたすべての作業が完了いたします。