投稿者: pyontetu
▼お知らせ「業務内容大幅変更について」
いつも当店をご愛顧いただき、厚く御礼申し上げます。さて、このたび2025年11月から、業務内容を大幅に変更することになりました。お客様にはご不便をおかけすることと存じますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
以前より検討しておりました、さまざまな商品開発に本格的に着手するため、これまでご依頼いただいておりました多くの作業を終了させていただくこととなりました。
なお、現在お引き受けしております作業につきましては、継続して作業にあたらせていただきます。
なお、これまでに当店をご利用いただいたお客様につきましては、サービス変更後となる11月以降も引き続きご対応させていただきますので、ご心配には及びません。
【業務終了内容一覧】~2025/10/31
・シール・インレタ・各種パーツのお取付け
・電飾加工他
・キット組立/各種塗装他
・修理/調整他
・特殊加工他
【新業務内容】2025/11/1~(準備期間1カ月)
・各種キットの商品開発
・各種ディテールアップパーツの商品開発
・特注シール/特注デカール製作
・特注パーツ制作 ※こんなパーツ欲しかった!などのご要望に対応
・ディスプレイモデル模型制作 ※企業向け
・地元子供向け工作教室への取組み
・子供向け工作キットのラインナップ強化
当店をご利用のお客様には、工作を趣味とされる方が多くいらっしゃいます。これまで、「こんなパーツやキットが欲しい」といったご要望を多数いただいておりましたが、時間の都合上、お断りせざるを得ない状況が続いておりました。今後は、こうした工作を楽しまれるお客様のご期待にお応えできるよう、商品開発に注力し、新しい形のサービスをご提供できるよう努めてまいります。
▼ぴょん鉄ご依頼作業一覧
現在、当店にご依頼をいただいております作業状況についてご確認いただけます。
ご依頼をお受けした順番ではなく、作業内容によって常に順番は入れ替わります。
現在の混雑状況について5段階で表示
少ない ■■■■■ 多い ※非常に作業が立て込んでいます。
▼作業状況一覧
▼直近で完了した作業
完了・・Nゲージ「E257形+383形 カプラー加工+車高下げ」
完了・・HOゲージ「特注タンク制作のご依頼 工房様向け」
完了・・Nゲージ「機関車用特注デカール①」
完了・・Nゲージ「500系新幹線パンタスパーク+室内灯調整」
完了・・Nゲージ「マイクロ キハ32形修理+貨車テール交互点灯加工」
完了・・Nゲージ「TOMIX 485系NORTH EX M換装+O/H」
▼特別制作品
EF58 61号機 ディスプレイモデル
▼現在作業中
作業中・・Nゲージ「キングスホビー特急富士 大幅改造」
作業中・・Nゲージ「EF58 & ED75 ディテールアップ+光沢仕上げ他」
作業前準備中・・HO/16番ゲージ「クモル24 -> クモヤ22 201 リペイント」
作業前準備中・・Nゲージ「オハ35 コンバージョンキット組付け」
▼優先度の高い作業
待機中・・Nゲージ「TOMIX 211系1000/3000 ライト加工+M調整他」
▼一時作業停止 待機中
※優先度が高い作業が入っているため、一時待機中となります。
一時待機中・・HO/16番ゲージ「宮沢製 C57 修理・調整/鉄道模型車 E10組付け」」
一時待機中・・Nゲージ「12系ふれあいみちのく制作」
▼順番待ち待機中・・
待機中・・HO/16番ゲージ「PLUM 115系 キット組立(改)2両」
待機中・・Gゲージ「工房様向け 路面電車台車パーツ設計」
待機中・・Gゲージ「レーマン製蒸気機関車大幅改造」
待機中・・Gゲージ「レーマン製客車室内灯+内装加工他」
待機中・・その他「展示用手回し運転ジオラマ ※企業様向け」
待機中・・Nゲージ「KATO D51 ボディー他オーバーホール」
待機中・・Nゲージ「マイクロ 新幹線0系 新規連結器制作」
待機中・・Nゲージ「マイクロ Tx2000 ライト加工他」
待機中・・Nゲージ「マイクロ 新幹線0系 モーターユニット全修理」
待機中・・Nゲージ「マイクロ 183系100番台 修理」
待機中・・Nゲージ「TOMIX EF210 機関車パーツ修理 」
待機中・・Nゲージ「阪急7000系7008編成制作」
待機中・・N用特注箱コンテナデカール⑨
待機中・・N用特注箱コンテナデカール⑩
待機中・・N用特注箱コンテナデカール⑪
待機中・・N用特注箱コンテナデカール⑫
その他、鉄道模型以外のご依頼品も多数待機中・・・
▼作業優先度について
作業途中で新規ご依頼が入ってくることがしばしばございます。優先度が高い作業ほど先に作業を進めてまいります。
最優先)納期期限あり作業 ※主に企業様案件など
優:1)パーツ取付&シール貼り
優:2)ライトなどの電飾加工/カプラー加工他
優:3)簡易塗装/部分修復
優:4)動作不良などの修理 ※軽微な故障
優:5)動作不良などの修理 ※中程度の故障
優:6)動作不良などの修理 ※重程度の故障
優:7)車体塗装
優:8)キット組立&塗装他 ※プラキット
優:9)キット組立&塗装他 ※プラキット要加工
優:10)キット組立&塗装他 ※金属キット
優:11)キット組立&塗装他 ※金属キット要加工
▼ディスプレイモデル「EF58 61号機制作」
久々のディスプレイモデル(大型模型)の制作となります。
車体設計を開始いたしました。完成は、2026年初旬を予定
【車体データ】
スケール:1/24
全 長 : 約830mm
前 幅 : 約116mm
全 高 : 約166mm
ギミック:乗務員ドア開閉、屋根ハッチ開閉、ヘッド/テールライト点灯、機関車内ライト点灯、他サウンド機能?
ディスプレイ用アクリルケース
▼設備の新設と機器導入
大型模型制作にあたり、従来の設備に加え新たな機器の導入と作業スペースの確保が必要となります。

現在ぴょん鉄で設備されている3D機器5台に加え、新たに大型3Dプリンター2台を導入いたします。また、既存のレーザー加工機よりも加工範囲の広いレーザー加工機の新規導入と、それに伴う各種機器も整備してまいります。
まずは、新規導入予定となっていた2台のうちの1台が設置されました。

写真ではちょっとわかりずらいと思われますが、従来の機種に比べてあきらかに大きく重たいです。

前面開閉型になったことで、プラットフォームの取り外しが容易になりました。また、造形エリアも広く今後の大型模型の開発にも充分対応できそうです。
▼Nゲージ「TOMIX 211系1000/3000 ライト加工+M調整他」
▼Nゲージ「TOMIX 485系NORTH EX M換装+O/H」
モーター載せ替えとO/Hでございます。









異音と走行の安定性をしっかり確認して、作業は無事完了いたしました。
▼Nゲージ「新幹線500系&700系 パンタスパーク+側面シール」


まずは700系新幹線シール貼り作業完了でございます。シールで難しいのは、貼る作業よりも切り出し作業にあります。
皆様へ、ワンポイントアドバイス!
★シールの切り出しを成功させるためのコツ
切り出し作業をうまく行うためには、いくつかの要件を満たすことが重要です。
1.複数回なぞる: 一度に無理に切り出そうとせず、複数回に分けて丁寧に刃をなぞって切れ込みを入れてから、最終的に切り抜くようにするのがコツです。
2.新しい刃を使用する: カッターの先端は必ず新しい状態を保つようにして使用してください。
3.明るい環境を確保: 対象がはっきり見えるように、必ず明るい場所で作業してください。
▼新幹線500系パンタスパーク取付
現在、プログラムをマイコンに書き込むための装置に不具合が生じている関係で、環境の再構築に少々手間取っております。


ようやく原因が判明して「Successfu」となり正常書き込み完了です。
それでは早速作業に取り掛かります。ご依頼者様のご希望により、パンタスパーク発光色は白となります。



まずは、パンタ上に光源を配置する訳ですが、以前は拡大ルーペなしでも行えた作業も、最近はさすがにルーペなしでは厳しくなってきました。
1.2 x 0.8mmのチップLEDの両端子に、0.12mmの配線をハンダ付を行い、アームに配線を引き回します。これがパンタスパーク加工で一番難しい作業となります。パンタは可動式となるため、ある程度配線にキャパを残しておかないと断線の要因ともなりますので、加工には細心の注意が必要となります。


パンタを外します。

配線を通す穴を開けます。



チップLEDをすり板中心に配置してUV樹脂を塗布して紫外線を充てて硬化させます。そのあと配線していきます。


配線を車内引き込みます。

車体を一旦すべて分解します。

床下に回路を埋め込みます。

一方の配線を集電板へ、もう一方の配線をパンタグラフ側へと接続して取り出します。

銅テープを貼りスプリング集電機構を作ります。



最後に点灯テストを行って作業は無事完了いたしました。
▼Nゲージ「キングスホビー特急富士 大幅改造+修復」

まずは、すぐに作業に入れるこちらの機関車のライト加工から着手していきます。

▼キングスホビー 特急富士カスタム加工他


事前にご準備いただきました詳細な作業内容を基に、作業工程を考えていきます。以下に作業内容をまとめさせていただきました。
▼ご依頼の作業内容全般
- 連結器高さ調整 ※蒸気機関車との連結含む
- 室内灯お取付け
- 車輪の転がりの確認およびスムーズ化
- 車番インレタ貼り
- 車内ディテールの制作 ※椅子等お持ち込み他
- テール点灯加工
▼ご希望加工内容詳細 ※キンホビ専用ケース側車両
なお、室内灯につきましては、新規お取付けするユニットと既にお取付されているものとで、明るさや色合いなどが大きく変わってしまう可能性がある場合は、すべてお取付け直す形でご対応させていただこうと思います。ご希望の昭和5年頃のやや薄暗い感じ照明を再現できるように作業させていただきます。また、特に大きな色合いや明るさの違いがなければ、既存のユニットをそのまま使用する形でご対応させていただきます。
①荷物車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- 車番インレタ「カニ39550」
- 室内ディテール加工不要
②二等寝台車 ※青帯3軸ボギー車 x 2
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタそれぞれ「マロネ37350」、「マロネ37396」
- 室内ディテール->アルモデル製「戦前型ロネ用寝台」/ 床板・仕切板は新規制作
③二等座席者 ※青帯2軸ボギー車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「スロ30750」
- 室内ディテール->アルモデル製「転換クロスシート」/ 床板・仕切板は新規制作
④食堂車 ※帯なし3軸ボギー車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「スシ37740」
- 室内ディテール->アルモデル製「食堂車テーブル+イス」/ 床板・仕切板は新規制作
⑤一等寝台車 ※白帯3軸ボギー台車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「マイネ37130」
- 室内ディテール->アルモデル製「展望車内シート・寝台(背高シート)」/ 床板・仕切板は新規制作
⑥展望車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「スイテ37000」
- 室内ディテール->アルモデル製「展望車内シート・寝台(ソファ&個室設置)」/ 床板・仕切板は新規制作
- 後部テール点灯化改造
▼ご希望加工内容詳細 ※Mケース側車両
主な作業内容は上記と同様。室内灯については新規組込み。なお、Mケース側の7両につきましては、車体破損等における復活作業もご希望とのご依頼でございます。塗装は「ブドウ1号」によるリペイントとなります。
はい、お任せください。


まずは、分解できるものは一旦すべて外してから修復作業に取り掛かります。

ガラスパーツなどもすべて作り直しさせていただきます。






屋根の窓ガラスもすべて貼り替えいたしますので、すべて剥がします。

床下機器パーツの突起は、車内ディーテールを作る際の障害となるため、出っ張りをすべて平らになるように内部をすべて処理していきます。





床下機器の歪みはプライヤーなどを使って補正を行い、大きく曲がって取り付けられている個所につきましては、いったん取り外してから、ルーターで面出しを行ってから再度お取付け固定いたしました。


床下はすべて取り外し、個別の歪みなどもお直しいたしました。

マイクロワイヤーブラシを使って、古い塗装の剥がれやすい箇所などもそげ落としていきます。

はがれやすい塗装も落とします。

全体の磨き出しを終えたところで、金属脱脂を行います。

さらにクリームクレンザーで磨きだしてから泡洗浄を行い徹底して油分を取り除いていきます。

第1塗装ブースで下処理を行います。

第2塗装ブースでエアーブラシで塗装を行います。


4~5回に分けて塗り重ねていきます。

光沢感のあるブラックに仕上がりました。

続いてボディー側ですが、こちらはちょっと手こずりそうです。

まずは、屋根からです。すべて外して番号を入れます。

事前にずべて外しておいたガラスパーツの接着部をすべて平らになるように削ります。

内面の小窓の削り込みが終わりました。

耐水ペーパーで#800で屋根面を研ぎ出して古い塗装面を慣らします。

しっかりと研ぎ出しが終わったところで、下塗りを行います。

下塗りが終わったところで、スエード調塗装を砂吹きして屋根面をザラザラ感を出します。このあと、「ニュートラルグレー+少量黒」で調合したものを吹き付けます。
実際に吹き付け終えてみて、「う~ん」どうも表面の質感に納得いかないので、もう一度塗装を落としてやり直します。


IPAに漬けてこのまま1日程度おきます。

完全な剥離が終わりました。

下塗りを行います。

色を調合します。

屋根塗装が終わりました。
▼ボディー側面の補修と塗装
ドアが大きく開いた状態で固定されている個所が数か所ございましたので、まずはそちらからお直ししていきます。

コテの温度を380度まで上げて、ドアの側面にに押し充てて、ハンダと接着剤を溶かしドアを本来ある位置に少しづつ戻していきます。


現状かなり盛り上がっておりますので、この状態ですと屋根面が浮き上がった状態となりますので、面出し処理する必要がございます。

接着の盛り上がりは、ルーターを使用して平らになるように削って処理していきます。

大きな盛り上がりを除去できたところで、あとは手作業でペーパーをかけていきます。

デッキ部分の取り外しです。破損させてしまわないように接着剤を少しづつ剥がしながら、無事に分離できました。

ぴょん鉄ストックの鉄道カラーの在庫に今回使用するカラーがございませんでしたので、発注いたしました。※Gaia鉄道カラー(ブドウ色1号)

ボディーの塗装もすべて剥がします。IPAに漬けて1日程度おきます。冬の寒い時期と違い液温をヒーターで温める必要がありませんので、剥離に適した時期でもあります。
翌日、塗装の剥がれ具合を確認したところ、多くは剥離が行われておりましたが、念のためあと1日このまま漬け置きして完全に剥離させます。その間に内装の設計を進めていきます。

剥離はほぼ完了しましたが、まだ一部のみ塗装がしっかり食いついている個所がありましたので、もう1日漬けおきします。
通常、金属車体への塗装は下処理をしっかり行っていないと爪で簡単に剥がれてしまいますが、こちらの車体はどれも塗膜がしっかりと形成されており、大変な定着力で車体に塗装が食いついています。当時しっかりとした下処理と塗装をされたんだな~とつくづく感心させられてしまいました。

ぶどう色1号到着です。

IPAだけでは落としきれず、シンナープールにドボンさせて1両づつハケで溶かして落としていきます。


ようやく塗装をすべて落とし終えました。

可能な限り各部の補修を行いました。

ガイアの「マルチプライマーアドバンス」で下塗りします。

下塗りが終わりました。


まずは1回目の吹き付けです。このあと、乾燥と吹き付けを5~6回に分けて行い徐々に発色させていきます。

車体色の「ぶどう色1号」塗装完了です。このまま1日おきます。

屋根を載せてみて確認してみます。ここから多くの手を加えないとならない個所があるため、まだ屋根は接着固定しません。

本日の主な作業は、車体に施す帯の制作と標記類、そして車番の貼り付けです。そのあと、クリアーで表面を保護すると共に、全体を光沢に仕上げて参ります。完成までまだいくつもの工程があるので先は長そうです。

まずは、完成品車両をすべてスキャンして側面の情報をPCに取り込みます。また、屋根の形状や向きなども間違いないように完成品と比較しながらお取りつけしていきます。

帯幅や高さなど原寸サイズで取得したデータを元にして、デカールを作成します。

青帯と文字位置などを確認してデータを作成します。


すべて車両のデータができました。

他の作業も並行して行っている関係もございまして、しばしの間お休みとなります。車体にはホコリや汚れなどが付かないようにそれまでの間はシートをかけておきます。
車体に施された横帯の制作にやや難航。特に青の横帯の色合いが思うようにいかず、何度かデータを修正しては印刷で色合いの確認を行いました。

一番下に青のチャートを作りながあ、徐々に目的の色に近づていくわけですが、この作業が意外と時間がかかりました。

最終的に出来上がったのが、シアン:81%/マゼンダ:60%の比率となります。こちらの車体は、かなり深い色合いのブルーとなります。

そうして出来上がった青帯をデカールに印刷した物がこちらとなります。ようやく、デカールの貼り付けとクリアーコート処理となります。


すべての車両に貼り付けが終わりました。このあとマークソフターを上から塗布して、リベットなどの出っ張りにデカールを定着させます。その後、しっかりと換装させてから、クリアーを車体に吹き付けて仕上げていきます。

まずはセッターを使用して定着を高めてから、部分的にソフターを点付けして密着させます。

綿棒を若干湿らせてから軽く押さえながらデカールの上で転がします。

このまま1時間ほど換装させます。
その間に室内灯を作っていきます。

出来上がった室内灯を屋根上部に取り付けて点灯テストをしてみたところ、ここで1つの壁にぶつかりました。

実際に点灯させてみると、横方向に光がうまく回らず、うっすらと光っている程度にしか見えませんでした。さて、どうしよう。

↓塗装の続きです。





24時間乾燥させます。それまで、他の作業を進めていきます。
再び室内灯に戻ります。しばらく試行錯誤しながらいくつかの方法を試しながら、ようやくご希望の室内灯ができました。

こちらが屋根に組み込まれた室内灯です。全体が発光します。

発光させてみます。色はご希望通りかなり濃いオレンジ色っぽい感じです。

小窓から漏れるオレンジ色(写真ではどうしても白っぽく見えてしまいます)の光もはっきりわかるほどの明るさです。さて、ここからさらに難しい作業が待ち受けています。
まず、こちらの車体はボディー中央に補強板があることで、内装を作るうえでの障害となります。内装を配置するには、屋根を開けて内装を配置することが前提となるため、修理やメンテナンスのためにも屋根を接着固定することができません。このことも考慮しながら、以降の作業を進めていく必要がございます。
いよいよ内装設計です。

まずは内面のガラスパーツをレーザーで切り出します。この際に下面にマスキングシートを一面に貼ります。これは熱により素材からガスが発生します。このガスは透明な表面を曇らせてしまいます。これを防ぐため、表面保護テープを貼るわけです。


車体に合わせて長さを微調整して切り出します。


ここで注意したいのはボンドの量です。多すぎると表面に飛び出して見た目が悪くなります。ここは慎重かつ丁寧に作業を進める必要がございます。

他の車両のガラス貼りも完了です。だんだん車両が形になってくると、ちょっと嬉しくなります。できるだけ良い状態でお渡しできるように頑張ります。かなりお時間はかかってしまっておりますが、着実に復活に向けて進んでおります。
台車につきましては、いったん全て分解し、個別にメンテナンスと通電確認を徹底的に行います。また、色剥げした個所につきましては色差しを行うなどして修正いたします。




1両分完了です。残りの車体もすべて同様の作業を行います。
さて、各台車の集電調整とO/Hが終わったところで実際に組込むわけですが、そう簡単ではありません。
従来の取付方法では、集電部分が車内に大きく出っ張ってしまい、内装と干渉するという問題がありました。そこで、この問題を解決するために、根本的に集電の仕組みを変える必要性が出てまいりました。

1つの方法として、中心のスペーサーを新規に3Dプリンターで作り直します。外形:2.9mm x 内径:2.3 x 高さ:2.4mm です。

出来上がったデータを3Dプリント出力します。


2~5号機は現在フル稼働中のため、1号機(一番右)を使います。
▼Nゲージ「EF58 & ED75 ディテールアップ+光沢仕上げ他」

ご依頼者様のご要望により機関車の大幅なディテールアップを行ってまいります。
▼EF58 61号機ディテールアップ



まずは作業しやすいようにすべて分解していきます。


まずは、ボディーから外せるものはすべて外します。


ヘッドライトレンズの取り外しは、表面が傷にならないように木の棒の先端を丸く加工してから、内側から軽く押し出します。

ボディーがすべて分解できたところで、次は台車です。

▼専用ツールの制作
今回の作業にあたっては、非常に細かな作業が連続するため、いくつかの専用ツールを事前に制作いたします。
1)電動マイクロピンバイス φ0.2/0.3
2)電動マイクロ面だしツール ※2種
3)マイクロペン
4)穴あけ用ガイド
1)電動マイクロピンバイス
正確な穴あけと作業の効率化。回転数可変パルス制御方式の超小型・超軽量の電動ピンバスでございます。
今回のような作業では、どうしても欠かせないツールとなります。
【部品構成】
本体/ピンバイス固定マウント/超小型6Vトルクモーター/制御回路/電源/垂直ドリル φ0.2&0.3
と、構成はいたってシンプルです。
まずは試作を設計して3Dプリントします。





内部にブレ防止の対策が施してあります。あとは、先端にピンバイスを差し込めば内部で固定されます。本体の大きさは、約4センチと非常に小さく軽量です。
電動マイクロピンバイスのメリットについて
・φ0.2 or φ0.3といった、扱いの難しいドリルにつきましても折るリスクを低減。
・手動ピンバイスに比べ、貫通までの時間を大幅に短縮。
・曲面の穴あけにおける、刃滑による塗装面のガリキズのリスクも大幅に低減。
・回転数は、素材や厚さに合わせて調整可能。厚さ2mmのプラ板も、わずか3~4秒程度で貫通。※高速回転時
・軽量コンパクトにより、指先の疲労感は少なく連続した作業でも安定した穴あけが可能。

出来上がったものがコチラです。左:0.2/右:0.3 ※シャンク径:φ3.175
何度か作り直しながら改良を加え、ようやく実用に耐えるツールに仕上がりました。特に難しかったのは、ドリル先端が一切のブレなく回転させるのに苦慮しました。

電源は、単三電池BOX(3V)を使用します。昇圧回路を組み込んで、3Vから5Vまで電圧をあげてあります。

スイッチはモーター横に付けてあります。軽い力で[ON/OFF]操作が容易にできます。

N用の屋根であれば、極細ドリル(φ0.2)でも折ることなく、わずか2秒程度で中心からまっすぐ貫通します。
EF58の屋根フックの穴あけと各部の正確な穴あけ作業に効果を発揮します。
さて、続いて面出しツールの制作です。こちらの制作はちょっと難しくなります。「このツールいったい何に使うんだろ~か?」と言いますと、車体の凸モールドを削るためのツールとなります。
通常メーカーが提供する完成品では、フックや手すりがモールドによって再現されておりますが、ディテールアップの際にこのモールドを平らに削る必要がございます。実はこの作業、本当に大変なんですよ。以前は、ノミなどでモールドをちまちま削ってから、ペーパーを小さく折り畳んでひたすが面出しを行っておりました。それでも場所によっては、フラットな面を出すのは至難の業です。そこで、機械の手を借りて正確にしかも早く面出しができるツールを制作することに致しました。
まず、根本的にピンバイスで使用する垂直ドリルではなく、スクエアエンドミルを使用します。このドリルの特徴は、先端が平らで横方向にも削ることができるため、面出しの際によく使用されます。

Nゲージの車体加工に適したツールとするには、軽量・コンパクトで狭い箇所にもしっかりとドリルが入り面出しができることが条件となります。これらを実現するにはいろいろクリアしないといけない課題が多々あります。


設計も終わり、早速パーツを作りテストしてみることにします。先端はアタッチメント式となっており、目的に応じてソケットを交換できるように設計しました。青色の部分が実際に装着されたドリルをイメージしたものです。今回は、ソケット1(細モールド用)となります。これを本体に装着することで、モールドのみ削り落とすことが可能なはず?・・です。ドリルは、φ0.5の超硬エンドミルを使用します。
使用方法としては、ソケットを上下に可動させて対象物の原点(Z=0)に調整してイモネジで固定します。
手すりのモールドは、正面、屋根、側面などに再現されていることから、どのような場所にも対応できるように設計してあります。
完成したツールの初期調整も終わり、本当にモールドのみがきれいに削れるのかテストです。
Bトレの屋根を使用して、配管やクーラーのモールドを実際に削ってみることにします。


使用方法はいたって簡単、削りたいモールドの上でスライドさせるだけです。回転速度は可変式で、高さのあるモールドは負荷が大きくなるため回転数をやや上げます。低めのモールドは低回転でも問題なく削ることが可能です。

クーラー中央の黒いラインが実際に削った個所となります。このように他の部分を削ってしまうことなく、モールドのみを簡単に削り落とすことができます。
今回は、手すりなどの細モールドに特化したツール制作となりましたが、その有用性が確認できたことから、今後は窓埋め改造などの面出しツールも制作する方向で検討しています。
さて、これでようやく準備が整ました。それでは、EF58の本格的なディテールアップに入ることにしましょう。
▼ディテールアップパーツの制作
各部のディテールアップパーツの制作も進めていきます。まずは車体をスキャンしてPCに取り込みます。



車体の原寸スキャンを行って、各部の詳細なデータを取得して取り付けるパーツを個別に設計していきます。パーツは、3Dプリンターによるパーツ生成とエッチングパーツ製作の両面から進めていきます。
先に制作したツールを使用して、手すりやフック部分などもすべて削り落とします。
▼台車の分解と加工準備

先代車をすべて分解します。


まずは、こちらの塗装から入ります。その前にしっかりと表面の油分などを落とすための洗浄を行います。最近よく使うのが、強力泡洗浄です。

台車の塗装開始です。

まずは、台車にプライマーを吹き付けていきます。次に台車の金属の質感を出すために「黒鉄色+ウィノーブラック+ブルー少量」を加えたものを吹き付けます。

濃度を薄くして表面にうっすらと上塗りをかけていきます。

黒ベースを基調として、時々覗かせる金属のギラッとした質感が出してみました。2~3回吹き付けながら、ちょうど良い感じになってきたあたりで吹き付けを止めます。
プラスチック感が消えて質感が出てきました。ただ物が小さいので、わかる人にはわかるといったこだわりの作業です。

台車に色差しを行っていきます。

塗り残しがないように、もう一度同じ位置に色差しを施します。


クリアー1、2回目では全体的に薄塗りします。3~5回目で濃度を中程度にして吹き付けます。最後にクリアーの濃度を極薄にして全体にしっかりと吹き付けて光沢感出します。

タンクに貼るデカールを制作して、貼り付け後にクリーアでテカテカにします。

取付けます。


ボディーを被せて全体の感じを見てみます。なかなかいい感じです。ここから先もじっくり時間をかけて仕上げていきます。
▼Nゲージ「鉄コレJR103系仙石線更新車(新塗装) ライト点灯化改造」
今回のご依頼者様の作業は、「ヘッド・テール・室内灯」の点灯改造および走行化でございます。

▼ご依頼者様からの作業内容についてまとめ
- 走行パーツのお取付け
- パンタグラフ交換作業は不要 ※現状のままで
- 取付用アンテナと列車無線 ※GM製パーツでのアンテナと信号炎管取り付け/無線アンテナがφ0.8mmで信号炎管がφ0.4mm
- 動力化 ※中間車にお取付け希望
- TNカプラーお取付け ※先頭車 JC6395 密連形TNカプラー/中間車 7711 密連形TNカプラー
- 室内灯点灯化
- ヘッド&テール点灯化改造
▼カプラーの取付交換と初期準備



カプラーの差し込み穴(1つに4箇所)すべてに、ピンバイス(φ1.4)で穴あけを行っておきます。


カプラーの取り付けと中央にウェイトを配置します。台車は集電加工を施していくため、ここではまだはめません。

まずは、M車以外のすべての初期作業は完了です。

M車の初期作業も進めていきます。

床下機器の換装と台車枠の取付およびスペーサーの取り付けです。一部ではめ込みが緩いものがございましたので、少量のゴム系ボンドで落ちないように固定しておきます。




ご希望のモハ側の中間車に組込みさせていただきました。
▼台車集電と室内灯制作

長さを確認して適切な位置でカットします。



長さを確認したら8両分カットします。このあと部品の取付加工して室内灯ユニットとして作り変えます。

もう一方のM車の片側の台車がこの状態で固まってしまっています。

ウェイトを一旦外してから台車を調整しなおします。
すべての室内灯の準備も終わり台車集電機構の組込みを進めていきます。まずは中間車からです。
これまで車体の台車に合わせて集電の仕組みを考えてきましたが、今回は、新集電シューを加工したものを組み込んでいきます。

片台車だけでも特に問題はないのですが、今回は反対側の台車も1車輪のみ追加しておきます。

集電状態と点灯状態を確認します。

ネジを外し凸部分をカットして、完全なフラットな面を作ります。

こちらはM車側に取り付けたものです。

こちらがサハ側の中間車に組込んだものです。

輝度調整のために、光源にシルバーマスクを制作して貼り、明るさを調整しております。

このようになります。まずは中間車4両が完了しました。
さて、いよいよ先頭車の加工です。まずは台車集電機構を作ります。

先頭車と中間車とで軸受けの長さが若干異なります。

こちらも集電シューを丸凸をすべて削り落としてから90度曲げて組み込みます。


台車をそれぞれ取付てから調整します。

先頭車4両の台車集電機構組込みがすべて完了しました。いよいよ「ヘッドライト&テールライト」の点灯加工に入ります。

車体前面のPCに取り込みテールライトの左右の位置関係を確認して点灯用パーツを作ります。


このあと各配線を行ってから各部の調整と点灯テストを





最後に細かな個所の微調整と動作テストをしっかり行ってからお引渡しとなります。あと少しです。
