▼HO/16番ゲージ「カツミ キハ185系 オールリペイント A列車バージョン」

まずは車体の全分解作業からです。

分解だけでも一仕事です。また、ガラスパーツはすべて接着固定されており、塗装前の準備だけでもかなり時間がかかりそうです。上記は1両分です。

前面の窓ガラスは特に注意して外さなくてはなりません。無理に外そうとすると凹みでパーツが変色してしまい、再利用できなくなります。

ちなみにこのパーツ「バキュームフォーム」により制作されていますので、破損させてしまうと原型から作り直さなくてはなりませんので、取り外しは特に慎重に行いました。


▼塗装落とし

ようやく分解が終ったところで、今度は塗装落としです。

リムーバーを使うことで、元の塗装がドロドロに溶けます。

ある程度拭き取ってからシンナープールにドボンします。

シンナープールからきれいになって出てきました。

続いてヘッドライトの穴あけ位置を決めるため、正面をスキャンしてPCに取り込みます。

実車の写真とよく比較しながら穴あけする正確な位置を割り出します。1つ1つの工程を時間をかけて丁寧に進めていきます。


次に、レーザーでテンプレートを作り車体に印を打っていきます。

センターポンチを打ち、ドリルで穴をあけます。1.0mm->1.5mm->2.0mmの順で行います。

穴あけした周りのバリをルーターで丁寧に処理します。


▼ライトパーツ制作

穴あけが終ったところで、そこにはめ込むライトを作ります。ライトレンズの受けも内側につけておきます。

設計が終り3Dプリンターで出力します。

3Dプリンターでライトパーツの出力を行ってから2次処理を施してから車体に組み込みます。実際に組み込む際にも注意が必要で、車体の傾斜に合わせて角度を調整して固定しなくてはなりません。そのまま取り付けると、下に向いた状態でライトが固定されてしまいます。


▼塗装作業開始

下地処理です。数回に分けてまんべんなく下地を吹き付けます。


▼マスキングデータの制作

数回に分けて色を重ねていきます。

車体側面をスキャンしてマスクデータを作ります。

写真を何度も確認しながら、金帯の位置と幅の修正作業が続きます。貼っては直しの繰り返しです。詳細な説明書があるわけではないので、こうした作業には本当に大変な時間がかかるんですよね。ここはもう仕事抜きにして趣味の範囲で納得がいくまで時間をかけている感じです。


いよいよ「スターブライトゴールド」の塗装です。3つのブロックに分けて塗装していきます。

今回は、希釈にメタリックマスターを使います。

複数回に分けて色を載せていきます。

中央の金塗装が終ったところで、今度は前後の金帯を塗装します。屋根につきましては、デカールをすべて貼り終えたのち光沢クリアーを吹き付けて最後に屋根塗装を行います。


▼デカール貼り作業

「UV Cutスーパークリアー」で車体全体をコート(保護)します。

1回目は全体に薄く吹き付けます。2回目以降は、濃度を調整しながら厚みを増していきます。5~6回ほど時間をかけて塗り重ねていきます。

ようやくクリアー塗装が終り光沢感のあるきれいな車体となりました。写真暗くてみずらいですけど・・・

この状態で24時間自然乾燥させます。その後、マスキングして屋根の塗装を行います。その間に床下と台車の塗装準備を行っていきます。

正面窓右は、裏面からマスキングを行ってから、ブラックで塗装します。

この時点で塗装におけるすべての工程が完了したことになります。あとは、新規に追加したヘッドライトのユニットを組み込めば完成となります。あと2~3時間といったところでしょうか。

まもなく完成・・・・・

最後にライトレンズを入れて作業は完了となります。当然ながら追加したヘッドライトも点灯するように改造してあります。

ご依頼者様にお引き渡しが完了いたしました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です