▼Nゲージ「Tomix 9600&TRIX ディーゼル機関車修理」

今回は上記の2台の機関車の朱里です。


先台車を固定するピンが折れてなくなっています。まずはここから直していくところから始めます。裏面から1mmのピンバイスで穴あけを行い、そこに真鍮線を通してピンを復活させました。

続いてテンダー側です。まずは車輪と集電板、バネもすべて磨き出して再生させます。現状、ほとんど電気を通しません。

これでテンダー側の集電系は完全復活しました。問題はここからです。まずドライブシャフトがありません。それと機関車と連結するドローバーも欠損しており連結できません。これだけなら良いのですが、他にもいろいろ問題が出てきそうです。

まず、テンダーから機関車側への集電ピンが曲がって下がってしまったものを上記のようにまっすぐにて戻し定位置で固定します。

破損した箇所をニッパーで切ります。

次に破損した箇所の連結部をレーザーで作ります。

クリーナーで接着面の油分をしっかり落としておきます。

このように固定します。パーツは現物合わせで位置調整します。最後に黒で塗装します。

続いてドライブシャフトの設計です。こちらのパーツの制作には、3Dプリンターを使います。最適な長さがわからないため、長さ調整できるパーツとして制作します。

ドライブシャフトのパーツが出来ました。左右の長さが調整できるようになっています。

あとは、実際に連結してみ調整を行っていきます。最後に黒で塗装します。

こちらの機関車は、「パーツ割れ/部品破損2か所・ドライブシャフト欠品・集電不良」など問題個所が多岐にわたっていたこともあり、お直しするまで時間はかかりましたが、どうにか走行できるまでお直しすることが出来ました。


1つ1つ現状を確認しながら問題個所を特定していきます。

修理依頼の中でも難しい部類に属するもので、モーター内部の断線です。過去作業した中で1番作業が難航したのは、外国型蒸気機関車による複数ギア破損です。ギアは基本的に樹脂製が多く、使用頻度に関係なく経年劣化による割れなども発生します。これは国内メーカーも例外ではありません。症状としては、台車から「ガタガタ音」がして上下に揺れ始めたらギア破損を疑うべきでしょう。

モーター断線の原因は、恐らく車輪がロックしてしまい、無理に電圧をかけ続けたことでモーターに大きな負担がかかりローターの線が焼き切れたのだと思われます。ギアも大変固く途中で完全にロックしているようです。

原因がわかりました。ちなみにこちらの機関車で使用されているギアはすべて金属製でした。今回、ギアがロックしてしまった原因ですが、シャフト終端に付いているはずの金属製のパーツが片方ありません。これによる、回転に対してシャフトが安定せずウォームギアと噛んでしまっていました。そうなると、まずこのパーツを設計してパーツを作るところから作業しなくてはなりません。修理にはかなり時間がかかりそうですね。


部品を機械で切り出します。

1.3mmのピンバイスで内径を整えます。

このようになります。

回転時に内部で暴れていたシャフトが中心でしっかり固定されました。

続いて難関のモーター内部の断線を結合する作業です。線の太さは見た目0.08~0.1mmくらいでしょうか?超極細の断線を見つけだして結合します。

拡大ルーペを使い内部の断線した箇所を見つけました。しかし、スぺ―スが狭くとても難しい。一番先端の細いコテを使い作業は一瞬で終わらせなくてはなりません。熱し過ぎたりハンダの量が多すぎても失敗します。

モーター内部の結合はどうにか成功したようです。どうにかモーターは蘇りました。しかしながら、この機関車には他にも多数問題をかかえています。外カバー割れていたり、ギアが途中で重たくなり引っかかりがポイントがあります。これを直すのに凄く時間がかかるんですよね~。既にこの機関車単体で、まる2日近く費やしている状況ですが終わりません。1つ直すとまた次の問題が出てきたりとかなり手ごわいです。

ロッドもすべて分解して、重たくなる原因を特定するため個別に単体テストを行います。目視でギアに破損などもないか念入りに見ていきます。

集電機構もなんだかおかしい?片側の集電板が途中でもげてのか、これでは通電もできません。これも直す必要がありそうです。

ようやく、作業完了です。どうにか走行できるまでに至りました。多少走りがぎこちない感じもしますが、こういうものなのでしょう。当初、ここまで作業が難航するとは考えておりませんでした。実際に作業に入ると、問題個所が次々とでてきました。特にロッドが付いた機関車は泥沼にはまることがあります。すべての動輪が正確にリンクしていないと車輪はロックしますからね。走行に支障をきたす箇所に順次対策を講じる必要があったので想定上に時間がかかってしまいました。

“▼Nゲージ「Tomix 9600&TRIX ディーゼル機関車修理」” への1件の返信

  1. 山本 睦 より:

    お疲れ様でした。

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