
まずは、すぐに作業に入れるこちらの機関車のライト加工から着手していきます。

▼キングスホビー 特急富士カスタム加工他


事前にご準備いただきました詳細な作業内容を基に、作業工程を考えていきます。以下に作業内容をまとめさせていただきました。
▼ご依頼の作業内容全般
- 連結器高さ調整 ※蒸気機関車との連結含む
- 室内灯お取付け
- 車輪の転がりの確認およびスムーズ化
- 車番インレタ貼り
- 車内ディテールの制作 ※椅子等お持ち込み他
- テール点灯加工
▼ご希望加工内容詳細 ※キンホビ専用ケース側車両
なお、室内灯につきましては、新規お取付けするユニットと既にお取付されているものとで、明るさや色合いなどが大きく変わってしまう可能性がある場合は、すべてお取付け直す形でご対応させていただこうと思います。ご希望の昭和5年頃のやや薄暗い感じ照明を再現できるように作業させていただきます。また、特に大きな色合いや明るさの違いがなければ、既存のユニットをそのまま使用する形でご対応させていただきます。
①荷物車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- 車番インレタ「カニ39550」
- 室内ディテール加工不要
②二等寝台車 ※青帯3軸ボギー車 x 2
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタそれぞれ「マロネ37350」、「マロネ37396」
- 室内ディテール->アルモデル製「戦前型ロネ用寝台」/ 床板・仕切板は新規制作
③二等座席者 ※青帯2軸ボギー車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「スロ30750」
- 室内ディテール->アルモデル製「転換クロスシート」/ 床板・仕切板は新規制作
④食堂車 ※帯なし3軸ボギー車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「スシ37740」
- 室内ディテール->アルモデル製「食堂車テーブル+イス」/ 床板・仕切板は新規制作
⑤一等寝台車 ※白帯3軸ボギー台車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「マイネ37130」
- 室内ディテール->アルモデル製「展望車内シート・寝台(背高シート)」/ 床板・仕切板は新規制作
⑥展望車 x 1
- 室内灯のお取付け ※やや濃い感じのオレンジ風の電球色で薄暗い感じ
- ダブルルーフ屋根上部隙間からの光漏れ対策(遮光処理)※小窓は埋めない
- 車番インレタ「スイテ37000」
- 室内ディテール->アルモデル製「展望車内シート・寝台(ソファ&個室設置)」/ 床板・仕切板は新規制作
- 後部テール点灯化改造
▼ご希望加工内容詳細 ※Mケース側車両
主な作業内容は上記と同様。室内灯については新規組込み。なお、Mケース側の7両につきましては、車体破損等における復活作業もご希望とのご依頼でございます。塗装は「ブドウ1号」によるリペイントとなります。
はい、お任せください。


まずは、分解できるものは一旦すべて外してから修復作業に取り掛かります。

ガラスパーツなどもすべて作り直しさせていただきます。






屋根の窓ガラスもすべて貼り替えいたしますので、すべて剥がします。

床下機器パーツの突起は、車内ディーテールを作る際の障害となるため、出っ張りをすべて平らになるように内部をすべて処理していきます。





床下機器の歪みはプライヤーなどを使って補正を行い、大きく曲がって取り付けられている個所につきましては、いったん取り外してから、ルーターで面出しを行ってから再度お取付け固定いたしました。


床下はすべて取り外し、個別の歪みなどもお直しいたしました。

マイクロワイヤーブラシを使って、古い塗装の剥がれやすい箇所などもそげ落としていきます。

はがれやすい塗装も落とします。

全体の磨き出しを終えたところで、金属脱脂を行います。

さらにクリームクレンザーで磨きだしてから泡洗浄を行い徹底して油分を取り除いていきます。

第1塗装ブースで下処理を行います。

第2塗装ブースでエアーブラシで塗装を行います。


4~5回に分けて塗り重ねていきます。

光沢感のあるブラックに仕上がりました。

続いてボディー側ですが、こちらはちょっと手こずりそうです。

まずは、屋根からです。すべて外して番号を入れます。

事前にずべて外しておいたガラスパーツの接着部をすべて平らになるように削ります。

内面の小窓の削り込みが終わりました。

耐水ペーパーで#800で屋根面を研ぎ出して古い塗装面を慣らします。

しっかりと研ぎ出しが終わったところで、下塗りを行います。

下塗りが終わったところで、スエード調塗装を砂吹きして屋根面をザラザラ感を出します。このあと、「ニュートラルグレー+少量黒」で調合したものを吹き付けます。
実際に吹き付け終えてみて、「う~ん」どうも表面の質感に納得いかないので、もう一度塗装を落としてやり直します。


IPAに漬けてこのまま1日程度おきます。

完全な剥離が終わりました。
▼ボディー側面の補修と塗装
ドアが大きく開いた状態で固定されている個所が数か所ございましたので、まずはそちらからお直ししていきます。

コテの温度を380度まで上げて、ドアの側面にに押し充てて、ハンダと接着剤を溶かしドアを本来ある位置に少しづつ戻していきます。


現状かなり盛り上がっておりますので、この状態ですと屋根面が浮き上がった状態となりますので、面出し処理する必要がございます。

接着の盛り上がりは、ルーターを使用して平らになるように削って処理していきます。

大きな盛り上がりを除去できたところで、あとは手作業でペーパーをかけていきます。

デッキ部分の取り外しです。破損させてしまわないように接着剤を少しづつ剥がしながら、無事に分離できました。

ぴょん鉄ストックの鉄道カラーの在庫に今回使用するカラーがございませんでしたので、発注いたしました。※Gaia鉄道カラー(ブドウ色1号)

ボディーの塗装もすべて剥がします。IPAに漬けて1日程度おきます。冬の寒い時期と違い液温をヒーターで温める必要がありませんので、剥離に適した時期でもあります。
翌日、塗装の剥がれ具合を確認したところ、多くは剥離が行われておりましたが、念のためあと1日このまま漬け置きして完全に剥離させます。その間に内装の設計を進めていきます。

剥離はほぼ完了しましたが、まだ一部のみ塗装がしっかり食いついている個所がありましたので、もう1日漬けおきします。
通常、金属車体への塗装は下処理をしっかり行っていないと爪で簡単に剥がれてしまいますが、こちらの車体はどれも塗膜がしっかりと形成されており、大変な定着力で車体に塗装が食いついています。当時しっかりとした下処理と塗装をされたんだな~とつくづく感心させられてしまいました。

お世話になっております。大変な作業をお願いしており、申し訳ありません。一点気になったことがありまして、ダブルルーフ屋根の間の小窓(せり上がった屋根と、そうでない屋根の間の、小さい長方形みたいなのが続いている窓、で通じますかね)ですが、ここから光が漏れるような感じ(要は塞がない)でお願いします。
いつもご依頼をいただきまして、ありがとうございます。。
屋根隙間からの光漏れ対策とのご説明が不足しておりました。大変失礼いたしました。
屋根小窓(四角い窓が連続した個所)につきましては、いったんすべて剥がしてから屋根塗装を行いまして、再度裏面から乳白色(半透明のシート)を貼る形で考えておりましたので、ご安心ください。
ぴょん鉄