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まず現状を確認しましたが、かなり状態はよくありません。経年劣化により、台車のギアはほぼすべて割れています。また、ダイキャストも亀裂が多数入っています。修理にはかなりの時間がかりそうです。この手の車体は、パーツの入手ができないので、ギアも1から作りなおさなくてはなりません。
金属に多数の亀裂が入っています。崩壊する前に対処する必要があります。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、ほぼすべて割れています。これにより、ギアが噛んでしまい車輪がロックしています。
Amtracの機関車も状態が良くありません。直さなくてはならない箇所が多数に及びます。こちらも修理にはかなり時間がかかりそうです。
ダイキャストが変形・膨張しているようで、なかなかボディーが外れません。
亀裂に浸透性の高い接着剤を流し込んでいきこれ以上の崩壊を防ぎます。
ネジを挟み込む絶縁ソケットも途中から砕けてなくなっています。
台車からはギアオイルが垂れていますし、本体内部もグリスがベタベタな状態です。まずはこれをすべて取り除くところからです。
また、作業を難しくしているのが、台車自体分解できない構造となっていることです。通常は、ネジまたはツメで固定されており容易に分解できる構造となっていますが、こちらは分解することを想定していないようで、台枠は接着および溶着されており分解できないようになっています。
溶着された箇所を強制的に剥がしてから、車輪とギアを取り出します。
現物のギアを読み取り、形状とピッチを読み取り3Dデータを作りました。このあと3Dプリンターで出力します。
手前が、Backman TGV用で奥がAmtrack用です。当然ながら形状が異なりますので、それぞれ設計して作りました。
こちらが、Amtrackの台車です。
新たに3Dプリンターで作ったギアです。
1つ1つ組み込んでスムーズに回転するかを確認していきます。
台車をすべて組み戻して、手で少しづつ回しながらスムーズに回転するかを確認していきます。問題があれば、ギアの設計からやり直しです。
Amtrackの方も、TGVと同様の問題を抱えていますので、こちらも並行して作業を進めていきます。
調整と分解を繰り返し行いながら、1つ1つ確認していきます。
どうにか走行できるまでお直し出来ました。なお、パンタおよびカプラーも可能な限りお直しいたしました。作業完了でございます。