▼Nゲージ「BACHMANN DD40AX修理」

今回は、ギア破損ということでご依頼いただきました。修理の中でギア破損は大変難しい部類に入る作業でございます。ギアは大変精度が求められるパーツだけに難しいのであります。

ドライブシャフトも途中からもげてなくなっています。これは、ギアが破損しているため、回転がロックされたことでモーターの回転を止める大きな力がシャフトに加わったことでネジ切れてしまったものと考えられます。

手で少しずつ回して問題となるポイントを探ります。両台車とも特定の位置でロックされます。これはギア割れによりピッチ幅が変わったことにより起こる症状ですね。

これですね。他にないか確認していきます。

台車のギアは、かろうじて無事な2個だけでした。

ギアだけでなく、集電板も片側が折れています。また、こちらのパーツも開いて割れています。当初考えていたよりも問題個所が広範囲に及んでいるようです。上記のパーツはロックタイトを亀裂に流して進行を止めました。


すべての車輪を外してルーペでよくよく確認してみたところ、結局すべて割れてました。過去の修理の中で、2個のギア割れを修復したことはありましたが、今回は全ギア8個と多いことから難航しそうです。

まずは、ギアの出っ張りをニッパーで切ってからヤスリで平らにならしてから、スキャナーでパソコンに取り込みます。直径と中心点を調べるため、外円と線を描きます。そこからギア形状のピッチを割り出します。

続いて、ギアとドライブシャフトの3D設計を行います。

破損しているドライブシャフトについても復元します。問題はギアで、現物合わせを繰り返しながら、微調整していくことになります。

ギアとドライブシャフトが出来上がりました。ギアについては内径を0.1mm違いの2種類を制作してみました。

実際に台車に組み込んで、スムーズに回転するか手の間隔で1つ1つ確認していきます。今回から、新たに導入した高精細3Dプリンターで出力を行いましたので、従来よりも出力後の誤差はかなり少ないと思います。

変色した集電板をポイント磨きを行って通電を良くします。また、折れた個所はハンダで繋ぎ直しました。

走行が安定するまでギアの微調整を繰り返します。

最後に車輪の磨き出しとギアに少量の注油を行い作業は完了となります。

無事にお直しできました。作業完了でございます。

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