▼HO/16番ゲージ「カツミ C62修理+N機関車」

まずは、Nゲージから修理に取り掛かかることにいたします。

かなり電圧をかけないと動きません。また回転が不規則です。

一旦分解してモーターのブラシを慣らしていきます。

走りがだいぶ安定しました。

次にパンタの破損を直していきます。

まずは、EF81ステンレス修理完了です。


お次は蒸気機関車ですが、これはちょっと手こずりそうです。

こ、これは!!ダイカスト崩壊しております。

車体底面の刻印(メーカー)を確認して、納得しました。

この時代の某メーカーの製品は、保管状態に関係なくダイカスト崩壊の報告は多々ございました。

Nゲージの修理としては、かなり大変な作業となりそうです。

中はこんな具合です。軽く触れただけも簡単に砕けていきます。現状からの修復はちょっと無理そうですね。また、反り返る形で変形もしています。ここは走行は考えずディスプレイ用として修復する方が現実的かもしれません。走行可能まで修復するとなると、内部パーツを1から作り直す必要がございますので、費用面でもあまり現実的ではありません。とりあえず、どこまでできるか考えてみることにいたします。

まずは、瞬着を多数ある亀裂に流してこれ以上崩壊が進まないようにします。この車体の修復には相当な時間を要するため、ここで一旦作業を停止して、HOの修復作業へ移行します。


HO カツミ製 C62修理作業です。

デフの片側が完全に変形しおり、上部の補強もねじれています。

大小プライヤーを駆使して、できるだけ元の状態に戻していきます。金属ですので、力加減が大変難しいです。

デフ表面も塗装が削れていますが、最後に全体を研ぎ出してから再塗装を行います。

だいぶ元の状態に戻ったのではないかと思います。

次に各部の凹みを直していきます。こちらの凹みは大変深いため、パテを使って補修することにします。まずは、凹み部分をルーターで削ってザラザラにして下地を作ります。

キャブの屋根も凹んでいます。

このように完全に下地を出します。

こちらも同様です。パテが届くまで先に駆動系の修理と各部O/ Hを行います。↓


とりあえず、現状確認のため通電させてみましたが、まったく動く気配がしませんでした。

分解して1つ1つメンテナンスを行っていきます。

まずは、内部に詰まったホコリや表面の汚れをクリーナーで除去します。

モーター単体のメンテに入ります。モータ内部も真っ黒です。

汚れを一通り除去できたところでブラシを慣らします。正転・逆転をそれぞれ中速で30分ずつ行います。10分おきにコミュの汚れを拭き取っていきます。

一通りモーターのメンテが終ったところで、軸受けに少量の注油を行っておきます。

モーター復活です。回転が安定しました。

モーターを戻し、各種動輪のバランス調整を行い回転が安定する位置調整を繰り返し行います。ようやくスムーズに動輪が回転を始めました。駆動系の復活です。

つづいて、長年の車輪への汚れの焼き付きをコンパウンドで丁寧に削り落としていきます。

車輪が本来の輝きを取り戻しました。このあとロッドなど各種金属パーツを金属クリーナーで丁寧に磨き上げていきます。

白く変色していた、ロッドや車輪の淵もすべて磨き上げました。

この状態でテスト走行してみます。

前進・後進ともに大変安定しています。


主剤と硬化剤を混ぜて補修用パテを作ります。

やや盛り上がるように盛りつけます。このまま12時間おきます。

パテは自体は、大変固く強度があります。まずは、ルーターでおおまかに削り出してから、ペーパーで番数を変えながら成形していきます。

穴埋めが終ったところで、ボディー洗浄を行い全塗装へと移行します。

洗浄後に乾燥室に入ります。


その間にテンダーの準備を進めます。

長年の車輪の汚れと焼き付きなど落としていきます。

右下がメンテを終えた車輪です。

洗浄を終えて戻ってきたテンダーです。長年の湿気やホコリなどがこびり付いて白く変色していましたが、だいぶきれいになりました。こちらも全塗装しますので、塗装前にさらに念入りに洗浄します。

機関車同様、こちらも変形してしまっている箇所を修理ます。


機関車が乾燥機から出てきましたので、塗装へ移行します。

まず、プレートは白く変色してましたので、上記のように磨き出しを行って表示がはっきり読み取れるように処理ました。

ライトはマスキングゾルでマスクします。

続いて下地塗装を全体に施します。

テンダーも同様に処理していきます。

下地ができたところで、「つや消し黒」を吹き付けていきます。

大変深みのある黒が蘇りました。数回に分けて色を吹き付けて、丈夫な塗膜を形成します。

テンダーもだいぶ色あせておりましたが、この通り復活です。

作業完了でございます。

“▼HO/16番ゲージ「カツミ C62修理+N機関車」” への3件の返信

  1. たまたく より:

    ぴょん鉄 様

    大変お手間をお掛けしております。
    C53は、この形式が欲しかったのでジャンク品と知りながら購入したのですが…ここまでヒドイ状態とは思ってもいませんでした。ご提案の通りディスプレイ用にしたいと思います。
    C62は、お伝えしましたように色々な思いがあるもので、修理の過程を拝見していて涙がでそうです。宜しくお願いいたします。

    1. pyontetu より:

      ぴょん鉄でございます。
      この度は、遠方よりのご依頼をいただきましてありがとうございます。ただいま順次、修理作業を進めさせていただいております。
      もう少しお時間はかかりそうですので、完了しだいご連絡させていただきます。
      なお、「NゲージC53修理」につきましては損傷が激しいため、可能な限り修復できればと考えております。
      よろしくお願いいたします。

      ぴょん鉄

  2. たまたく より:

    ぴょん鉄 様

    大変お手間をお掛け致しました。
    と申しますか…長年放置してしまったC62がここまで蘇るとは
    正直思ってもみませんでした。車体はもちろんですが、動輪の
    輝き…感激です。ありがとうございました。
    届きましたら、元国鉄マンだった父親の遺影の前に飾ります。
    本当にありがとうございました!

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